ここでは、マーケティングの基本である顧客分析について、わかりやすくご紹介します。顧客分析に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
顧客分析とは、言葉通り自社の顧客を分析することです。「何となく多くの人が買ってくれている」「若い女性に人気がありそうだ」と漠然とした顧客理解では、適切なアプローチや、効果的な戦略立案ができません。膨大な商品や情報の中から消費者に選ばれるためには、どんなニーズを持った顧客層がどんな経路から購入しているのか、定期的に分析を行い、顧客を良く知ることが大切です。
顧客分析では、主に次のような項目を分析します。
これらの分析を行うことで、自社のターゲットや顧客のニーズを把握することが可能です。
顧客分析を行うメリットは、マーケティング戦略の精度を高められる点です。顧客を深く理解することで、ターゲットの心を動かすマーケティング施策を実行できる上、効果測定を行い、より効果が見込める施策に予算を配分することが可能。マーケティング施策の費用対効果を最適化し、より効率的に認知拡大や顧客の獲得が行えるようになるでしょう。
分析結果を商品・サービスの改善・開発につなげられる点もメリットです。顧客ニーズを把握することで、予算を使うことなく、ニーズに合った商品・サービスを提供することができます。
ただし、顧客分析の手法によっては欲しいデータが得られない可能性があるので注意が必要です。
一口に顧客分析といっても、その方法はさまざまです。ここでは数ある方法の中から、3つの方法をご紹介します。
POSとは、「Point of Sale(販売時点情報管理)」の略で、小売業で商品を販売する際の情報を集計・管理するシステムのことです。小売店や飲食店を中心に、レジと合わせて導入する企業が増えています。POSデータ分析とは、このPOSシステムのデータを分析する手法のこと。売れた商品の名称・価格・購入個数・購入日時・購入店舗・顧客の属性情報などを分析することで、売れ筋商品や死に筋商品、売れる時期や適切な仕入時期などを把握することができます。
デシル分析とは、顧客を購入金額でグループ分けする手法です。「デシル」がラテン語で「10分の1」を意味するように、全顧客を10個のグループに分けて、各グループが会社の売上にどれくらい貢献しているのかを分析します。分析結果を活用することで、貢献度に応じた戦略を立案することができるでしょう。ただしデシル分析では、1回しか利用していない顧客でも金額によって貢献度が評価されるため、リピーターや優良顧客を判断することはできません。
RFM分析は、Recency (直近購入日)・Frequency(購入頻度)・Monetary (購入金額)という3つの項目によって顧客を分類する手法です。顧客全体を「新規顧客」や「休眠顧客」、「優良顧客」などに分類し、グループごとに適切なマーケティング施策を実行することができます。
セグメンテーション分析は、顧客を年齢・性別・ニーズ・購入履歴などの属性によって分類する手法です。デシル分析やRFM分析と異なるのは、購入に関する数値以外のデータも活用する点です。分類方法を変えることで、さまざまな情報を得ることが可能。ただし、細かく分類し過ぎると、かえって適切な施策を打ちにくくなるので注意が必要です。
顧客分析で自社の顧客について知ることで、より効果的なマーケティング戦略を立て、顧客満足度の向上や売上アップを図ることが可能です。これまで顧客分析を行っていなかった方は、ぜひ顧客分析を行ってみてください。ただし顧客分析にはさまざまな手法があり、目的や欲しい結果によって使い分けることが大切です。実績豊富なマーケティングリサーチ会社なら、市場調査と併せて顧客分析もサポートしてくれるでしょう。
次のページでは、顧客分析に強い大手マーケティングリサーチ会社を取り上げています。顧客分析に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。