「出稿した広告による成果」を測定することを、広告効果測定と呼びます。この測定では、「商品やサービスの認知度」「問い合わせ数」「サイトへの訪問者数」などを測定し、広告の費用対効果を把握します。
効果の測定を行う場合には、広告出稿前に測定したい指標について集計を行い、目標値を決めておくことがポイントとなっています。広告を出稿した後にその目標値を超えた場合、広告の成果を得られているといえます。測定の結果、目標以上の効果が確認できた場合には、広告の出稿を継続することになりますし、もし目標値に届いていない場合には、広告出稿を行うにあたって問題や改善点があると判断できます。
出稿した広告がどの程度の効果があったのかを測定することによって、まずは消費者に対してどの程度の影響が与えられたのかという点を把握できます。具体的には、消費者が「どのような経路や媒体からその広告に接触したのか」を分析できますので、購入に至る経路の把握にもつながります。
また、逆に今回出稿した広告の問題点や課題の把握もできるため、次回の広告出稿に生かすことが可能になり、より優れた広告制作ができるようになるメリットもあります。
定量調査とは、収集したデータを数値化することを想定した上で設計された調査をいいます。例えば「アンケート調査」や「クリック率(CTR)」、「コンバージョン率(CVR)」、「ROI測定」など、結果が数値で表される調査を指しています。
上記の「クリック率(CTR)」はユーザーの画面に表示された広告が実際にクリックされた割合、「コンバージョン率(CVR)」は例えば商品の購入や資料の請求など、最終的な目標や成果に達した数値を示します。また「ROI」は投資収益率のことを指し、かけた広告費に対する利益を表しています。このように、さまざまな指標が用いられています。
例えばアンケート調査などは郵送や対面、インターネットなどを用いて実施されていますが、現状を把握したい場合や仮説の検証を行いたい時などに定量調査が用いられています。
これらの調査は数値でデータが表されるため全体像を把握しやすいことや、統計的な裏付けのあるデータであることから、施策の判断材料になり得るといったメリットがあります。
定性調査とは、対象者の意見や感想など言葉や文章などで表され、数値化できないデータの収集を目的としている調査を指しています。
「インタビュー」や「フォーカスグループ」、「SNS分析」、「広告認知度調査」などの方法があり、企業がある製品やサービスについての課題・問題点を見つけたいときや仮説の立案を行いたいとき、コアなターゲットの生の声を聞きたい場合などに用いられています。
定量調査の場合、消費者の深層心理や行動の背景などを知ることができる、インタビューを行う中で企業側では気づけなかった「消費者ならではの声」を聞けるケースもあるなどのメリットがあります。
広告を出稿する際には、まず「何を目的として出稿するのか」を明確にすることが必要です。「リピーターを増やす」、「資料請求につなげたい」、「店舗の来店客を増やしたい」など広告出稿を行う目的はさまざまです。
しかしこの部分が明確になっていないと、広告出稿の意味が曖昧になってしまうため、うまく広告効果の測定を行うことができません。出稿を行う目的を明らかにしたら、達成したかどうかの検証を行うために目標値を設定します。
調査を行う場合には「誰を対象とするか」といった調査対象の選定が非常に重要です。これは、調査対象が適切ではない場合には、その調査が意味のないものになってしまう可能性があるためです。ここでは、年齢や職業、年収、家族構成などをもとに調査対象を絞り込んでいきます。
また調査対象を選定するとともに、どのようにサンプリングをするかという部分を検討することも重要なポイントとなってきます。
広告効果について正しく測定を行うには、データの収集方法や分析方法が一貫している点も大切であるといえます。さらに、データが正確なものでなければ、測定結果も信頼できるものとはなりません。そのため、データの収集を行う段階から「一貫性」と「正確性」を意識することがポイントとなってきます。
調査結果を分析する方法としてはさまざまなものがあります。例えば、デザインなどが異なる2種類の広告を出して、どちらが効果的かを比較する「A/Bテスト」や、Webでのユーザーの行動について収集・分析を行ってマーケティングに活用する「ユーザー行動分析」などが挙げられます。
データの分析を行ったら、その結果をもとにして広告のパフォーマンスを向上させるための施策について検討します。例えばターゲティング精度の向上やクリエイティブ最適化などの方法があります。
広告におけるターゲティング精度とは、特定のターゲット層に対して広告を正確・効果的に届ける能力を指しています。ターゲティング精度を測定するには、クリック率やコンバージョン率、リーチ率などが用いられます。これらの数値を上げるための施策に取り組むことによって、広告のパフォーマンスの向上が期待できます。
広告効果測定は、定期的に実施することが重要です。広告の効果は、広告の内容のみで決まるのではなく、競合・トレンドなどさまざまな影響を受けて変化します。そのため、PDCAサイクルを活用しながら広告効果の継続的な向上を目指していくことが大切といえます。
そして、PDCAサイクルを活用する上では、広告の効果測定だけで終わるのではなく、得られたデータから改善案の立案と実行を行い、さらに改善案を実行した際の効果測定を行うことでより良い広告運用につなげられます。
ネオマーケティングは「オーダーメイドの広告調査」を行っている点がポイントであり、それぞれの企業が持つ課題に応じた、カスタマイズが可能な広告効果測定の提供が可能です。また、アンケートやインタビュー、SNS分析といったように、多彩な手法に対応。定量調査・定性調査いずれにも対応できます。
さらに、デジタル広告だけではなくオフライン広告両方の効果測定が可能であるため、さまざまな媒体への出向を検討している場合に注目しておきたい会社であるといえます。そして、効果測定の結果をもとにして、広告施策に関する改善点の提案を行えます。
ネオマーケティングの
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「電通×マクロミルの共同リサーチ」により、広告やPRの効果について多角的な測定が可能である点が強みのひとつです。さらに、AIを用いた広告分析が可能。機械学習を活用し、広告の影響をリアルタイムで解析できます。
また、SNSやデジタルデータを活用した消費者行動分析にも対応している点に加えて、広告効果とブランドリフトの測定を統合的に行えます。
電通マクロミルインサイトの
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インテージでは、国内最大級のデータベースを活用した広告効果測定が可能であり、広告のROIを正確に測定できます。また、テレビ広告・デジタル広告の横断分析にも対応しています。
さらに、「広告接触データ」と「消費者購買データ」を統合分析することによって、広告効果の可視化が可能。行動路データを活用した広告最適化につなげるための支援を行っています。
クロスマーケティングでは、データドリブンな広告効果測定を行うことが可能であり、消費者インサイトの可視化を行えます。さらに、国内だけではなくグローバル市場での広告効果の調査も行っています。
そして、リアルタイムデータ収集の活用によって、広告を配信した後すぐに効果を測定可能。広告キャンペーンにおけるPDCAサイクルを支援しているため、広告をより良いものに改善していくことができます。
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アスマークでは、さまざまな調査手法を提供している点が特徴です。例えばWebアンケートや訪問調査、会場調査、電話調査など、ニーズに応じた調査を行うことが可能です。また、広告認知度の調査やブランドリフト調査に強みを持っている点もポイントといえます。
そのほか、広告のターゲット層に対する定性分析(デプスインタビュー・FGI)を行える点に加え、オンライン広告とオフライン広告の統合分析も提供できます。
こちらの記事では、広告効果測定の概要やメリット、設計方法に加えて主なマーケティングリサーチ会社の広告効果測定サービスについて紹介してきました。
広告効果測定を行う場合には、1度だけの測定ではなく継続的に実施することが重要すぁう。そして、最適な広告投資を行うためにも広告効果測定は不可欠であり、データを活用した広告戦略の策定・実施によってさらに高いROIを目指すことがポイントであるといえます。そのためにも、PDCAサイクルを回しつつ広告をより良いものに改善してパフォーマンスの最大化を目指し、効果的なマーケティング施策を実施していくことが大切です。